抄録

青木 弘良

株式会社東陽テクニカ

動物細胞培養用アガロースゲル・マイクロカプセルの開発 

 

【目的】アガロースゲル・マイクロカプセル (AGM, Fig. 1)は,アガロースゲルのシェルと,アル ギン酸溶液のコアから構成される,ハイドロゲル マイクロカプセルである.AGM は,2段階のエマ ルジョン中でのゲル化によるバッチ法により簡便 に作製され,スケールアップも容易である。これまで微生物の 1 細胞ゲノム解析において,pL スケールのコア内でのゲノムDNAの多重置換増幅 (MDA)によって,増幅バイアスを抑制し,ゲノム全 体のカバー率を向上した.今回我々は動物細胞の 1 細胞ゲノム解析および AGM を用いた細胞移植 を目指し,AGM 内での動物細胞培養条件の確立を試みた。

【方法】従来の AGM 作製試薬に対し,溶液組成 を調製した動物細胞用 AGM 試薬キットを作製し, マウス胚由来細胞株 C3H10T1/2 およびヒト乳がん 由来細胞株 MCF7 を包埋し、培養を試みた。

【結果と考察】従来の AGM 試薬での生存率はほぼ 0%に対し,動物細胞至適後,約80%の生存率が見られた。AGM のゾル状コア中で,C3H10T1/2および MCF7 を培養したところ,接触阻害がかかる C3H10T1/2 は増殖しなかった。しかし接触阻害がかからない MCF7 は,お互いを足場として増殖し,塊状のスフェロイドを形成した(Fig. 2).以上 の結果から,AGM への安定な細胞の包埋と培養条件を確立した。今後は動物細胞用 AGM 試薬を用 いた、シングルセルゲノム解析と,細胞培養が期待される。



青山 徹

国立がん研究センター研究所 細胞情報学分野

Targeting the Nuclear FGF2-FGFR1 Autocrine Signaling Pathway: A Promising Therapeutic Approach for Malignant Pleural Mesothelioma

Toru Aoyama1, Nobuhiko Nishijima2, Naoko Goto3, Yusuke Matsuno1, Ken-ichi Yoshioka1, Masahiro Seike2, Mari Masuda4

1Laboratory of Genome Stability Maintenance, National Cancer Center Research Institute

2Department of Pulmonary Medicine and Oncology, Graduate School of Medicine, Nippon Medical School

3Department of Thoracic Oncology, National Cancer Center Hospital

4Department of Proteomics, National Cancer Center Research Institute

 

Malignant pleural mesothelioma (MPM) is a formidable challenge in oncology, characterized by its relentless progression and limited treatment options. While the FDA-approved combination of nivolumab and ipilimumab in the first-line setting, followed by platinum plus pemetrexed chemotherapy in the second-line option, has offered some hope, the overall efficacy remains suboptimal. To explore innovative therapeutic avenues, our research has uncovered a pivotal role of the aberrant FGF2-FGFR1 autocrine signaling pathway in a subset of MPM cases.

In our study, we found a strong correlation between FGF2 overexpression and increased sensitivity to AZD4547, a receptor tyrosine kinase inhibitor targeting FGFR 1-3, in two out of eighteen MPM cell lines. Further investigation revealed the co-localization of FGFR1 and FGF2 within nuclear speckles, suggesting upregulation of downstream gene expression. Inhibition of this pathway induced autophagy-dependent cell death, resulting in a significant anti-proliferative effect. These findings underscore the potential of the FGF2-FGFR1 signaling axis as a promising therapeutic target. In addition, we propose that FGF2 overexpression and its specific nuclear speckle localization may serve as companion markers to identify a subpopulation of MPM patients most likely to benefit from FGFR inhibitors. This novel approach holds the promise of improving treatment outcomes in MPM, offering new hope to patients with this devastating disease.



安達 雄輝

国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野

骨巨細胞種(Giant Cell Tumor of Bone: GCTB)の新規細胞株樹立と特性評価:薬物治療の最適化を目指して  

 

 骨巨細胞腫(Giant Cell Tumor of Bone: GCTB)は、マクロファージと破骨細胞様の巨細胞を伴う腫瘍性の単核間質細胞から構成される骨原発腫瘍である。臨床上は、良性と悪性の中間の悪性度であることを意味する“Intermediate (locally aggressive, rarely metastasizing ) ” に分類される。標準治療は外科的切除・掻把による完全摘出であり、一般に良好な経過を辿ることが多い。しかし、局所再発を繰り返す症例や肺などへの遠隔転移をきたす症例も一部には存在し、予後不良であることが知られている。このような症例に対しては、外科治療に加えて、デノスマブやビスフォスフォネート製剤による補助化学療法を行うことが予後改善につながる可能性が示唆されているが、現時点で確立した薬物レジメンは存在しない。

患者由来細胞株は、前臨床研究や基礎研究の分野で広く用いられてきた。特に、患者数の限られる疾患においては、関連する遺伝子やタンパク質の機能解析を評価し、新たなバイオマーカーや治療標的を同定する上で貴重な研究材料となる。これまでに樹立されたGCTBの細胞株は世界で13株にとどまっており、研究目的に入手が可能な数はより少ないことから、さらなる新規細胞株の樹立が期待されてきた。今回、我々はGCTBの2症例から患者由来細胞株を樹立することに成功し、それぞれNCC-GCTB8-C1、NCC-GCTB9-C1と命名した。

NCC-GCTB8-C1, NCC-GCTB9-C1を用いて特性評価を行った。細胞増殖アッセイ(Cell counting Kit-8)や細胞遊走・浸潤アッセイ(xCELLigence DP system)、スフェロイド形成アッセイにより、細胞の性質を評価した。加えて、これまでに当研究室で樹立された7つのGCTB細胞株を含めた合計9細胞株を対象として、214種の抗がん剤を用いたハイスループットな薬効試験を行い、結果を統合することで、GCTBの新規治療薬となりうる薬剤の同定を目指した。

結果としては、NCC-GCTB8-C1に比べてNCC-GCTB9-C1の方が高い細胞増殖能と浸潤能を示した。薬剤への応答性については、HDAC阻害薬とトポイソメラーゼ阻害薬で強い細胞増殖抑制作用が認められた。特に、ロミデプシン(HDAC阻害薬)とミトキサントロン(トポイソメラーゼ阻害薬)の2剤はより強力な抗腫瘍効果を示し、GCTBに対する新規治療薬として臨床応用が期待される。

我々はGCTB細胞株を新たに2つ樹立し、網羅的な薬効試験を含む特性評価を行った。これらの細胞株は、GCTBにおける前臨床研究や基礎研究を発展させるものであると考える。しかし、GCTBの臨床的な多様性を考慮すると、さらなる細胞株の樹立とより詳細な研究が求められる。



岩田 秀平

国立がん研究センター研究所希少がん研究分野

創薬・分子病態把握に向けた患者由来がん細胞株の特性の研究

〜CIC遺伝子再構成肉腫のプロテオーム解析を用いて〜

 

【目的】

CIC遺伝子再構成肉腫はCIC-DUX4を代表とするCIC遺伝子の融合を有する希少かつ高悪性度な肉腫であり、病態理解は未だ不十分で治療標的も明らかでない。本研究ではCIC遺伝子再構成肉腫の凍結腫瘍組織と樹立細胞株を用いたプロテオーム解析を行い、創薬・分子病態把握に向けた患者由来がん細胞株の特性を明らかにすることを目的とした研究を行った。

【方法】

CIC遺伝子再構成肉腫の凍結腫瘍組織9例と樹立細胞株2例からタンパク質を抽出しペプチド消化を行った。さらに質量分析装置を用いて、液体クロマトグラフィー質量分析法によるプロテオーム解析を実施した。

【結果】

質量分析による解析の結果、1サンプルから約4500〜9000程度のタンパク質が同定できた。階層的クラスター解析と主成分解析で示すように、腫瘍組織と細胞株のそれぞれで特徴的なプロファイルを認めた。一部共通して発現しているタンパク質も確認された。エンリッチメント解析ではいくつかのパスウェイで有意な発現変化が認められ、腫瘍の分子病態において重要となるタンパク質であることが示された。

【結論】

本研究で同定されたタンパク質群はCIC遺伝子再構成肉腫において分子病態把握の理解に役立つことが期待される。



江藤 哉子

コーニングインターナショナル株式会社

3Dバイオプリンターを用いたハイスループットプリンティングの検討

 

 3次元細胞培養は、スフェロイドやオルガノイド培養しなどを培養し、細胞生物学や生理学、再生医療研究でin vivoの代替実験系として利用されています。一方で、創薬プロセスで3D細胞培養モデルを使用する場合に、アッセイ開発の複雑さや、アッセイのバリデーション、ハイスループット化に伴う課題がボトルネックとなることが知られています。このような背景の元、3Dバイオプリンティングは、細胞外マトリックスやバイオインクに細胞を含むあるいは含まない状態でハイスループット処理するための有望な技術として台頭してきています。Corning マトリゲルなど温度感受性のゲルを分注・プリントすることができる Corning Matribot バイオプリンターを用い、3D培養のためのバイオインクの高速で正確かつハイスループットなプリンティングを検討しました。本報告では、マトリゲルを用いてスフェロイド培養を行った例やオルガノイド培養の例をお示しします。

 



大崎 珠理亜

国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野

CIC再構成肉腫における既存抗がん剤の適応拡大を目指して:キナーゼ活性解析と薬剤スクリーニングを組み合わせたon-target効果を示す抗がん剤の同定

 

【背景】CIC再構成肉腫(CRS)は、CICと特定の転写関連遺伝子の融合により発生する、悪性度の高い肉腫である。化学放射線療法に強い抵抗性を示し、根治的な切除後も遠隔転移を高頻度に認め、新規治療法の開発が必要である。CRSは希少がんであり、新規の抗がん剤の開発は難しく既存抗がん剤の適応拡大が現実的である。100種類弱のキナーゼ阻害剤が臨床で使われており、CRSの治療に有効なものが未だ試されていない可能性がある。適応拡大可能な薬剤の探索では薬剤スクリーニングが行われる。薬剤スクリーニングでは、標的分子以外の分子を阻害するoff-target効果により抗腫瘍効果を示す薬剤が選ばれることもある。そこで本研究では、on-target効果によって抗腫瘍効果を示すキナーゼ阻害剤を同定する工夫をした。すなわち、薬剤スクリーニング後にCRS細胞において標的のキナーゼが活性亢進していることを確認し、キナーゼ阻害剤投与後の標的のキナーゼの活性を調べた。

【目的】本研究の目的はCRSに適応拡大可能な既存の抗がん剤(キナーゼ阻害剤)を同定し、新規治療法を開発することである。そのためにon-target効果を示すキナーゼ阻害剤を選ぶ工夫をした。

【方法】本研究では、当研究室で樹立したものを含む細胞株(PDC)3株を使用した。ペプチドアレイを用いてCRSの細胞株のキナーゼの活性をin vitroで網羅的に調べた。また、CRSのPDCを用いてがんの治療で使われるキナーゼ阻害剤60剤の増殖抑制効果をスクリーニングした。その後、網羅的なin vitroのキナーゼ活性解析結果と薬剤スクリーニングの結果と統合し、CRSの治療薬候補を選定した。On-target効果を示すキナーゼ阻害剤を同定するため、治療薬候補をPDCに投与し、標的のキナーゼの活性の変化を調べた。

【結果】網羅的なin vitroのキナーゼ活性解析の結果、CRSのPDCではMAPK、VEGFRシグナル経路の活性が亢進していることを見出した。また薬剤スクリーニングの結果、MAPK、VEGFRを標的としたキナーゼ阻害剤3剤が顕著な増殖抑制効果を示すことを確認した。しかし、これら3剤のうちPDCに投与後、治療標的であるキナーゼの活性を抑制したのは1剤のみであった。

【考察】臨床試験に進む抗がん剤の95%は承認に至らない。その原因の1つは、前臨床試験における抗腫瘍効果の多くがoff-target効果であることが指摘されている。本研究では、薬剤スクリーニングとin vitroのキナーゼ活性解析の結果、CRSのPDCにおいて活性亢進したキナーゼを標的とした薬剤が3剤選定された。しかし実際には、標的のキナーゼの活性を抑えつつ、増殖を抑制するようなキナーゼ阻害剤は1剤のみであった。すなわち、on-target効果を示すキナーゼ阻害剤を見つけるためには、標的キナーゼの活性を治療薬候補が抑制することを確認する必要がある。



小野 拓也

国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科

隆起性皮膚線維肉腫の薬剤探索に向けた患者由来細胞株の樹立と応用

 

【背景・目的】隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans、DFSP)は、表在性で局所的に侵襲性のある線維芽細胞由来の中間悪性腫瘍であり、COL1A1-PDGFB転座が特徴である。DFSPの遠隔転移は非常に稀であり、全症例の5-10%が局所再発や遠隔転移する。DFSPの治療は外科的切除が一般的であり、切除不能や再発転移性のDFSP患者にはPDGFR阻害剤のイマチニブが投与される。イマチニブを投与した患者のうちの10%は抵抗性を示す。したがって、そのような治療抵抗性のDFSP患者に奏効する薬剤が必要である。患者由来細胞株は治療法開発における重要なツールである。しかし、入手可能なDFSP細胞株は2株のみであり不足している。そこで本研究では、①DFSPの新規細胞株の樹立、②DFSPに奏効する薬剤の探索、という2点を目的に進めた。

【方法】DFSP患者から外科的切除された腫瘍組織を酵素処理し、患者由来細胞株を樹立した。樹立した細胞株を用いて抗がん剤214剤の増殖抑制効果を調べた。

【結果】当研究室ではこれまで21症例からDFSP細胞株の樹立を試み、5株の樹立に成功した。5細胞株ともDFSPに特有の融合遺伝子COL1A1-PDGFBを確認できた。薬剤感受性試験の結果、DFSPの標準治療薬であるイマチニブは5細胞株ともに抵抗性を示した。一方で、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるロミデプシンおよびプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブが特に高い増殖阻害効果を示した。

【考察】本研究によりDFSPの新規細胞株の樹立に成功し、細胞株を用いてDFSPに奏効する薬剤を見出すことに成功した。本研究におけるDFSP細胞株の樹立成功率は24%であった。21症例からの細胞株樹立を通じ、患者背景(年齢、発生部位、悪性度)は樹立の可否に関わらないことが示された。本研究で奏効薬剤として同定されたロミデプシンは皮膚T細胞性リンパ腫および末梢T細胞リンパ腫で、ボルテゾミブは多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫で承認されており、DFSPの治療への適応拡大が期待できる。イマチニブに抵抗性の患者は10%であるのに対し、本研究で樹立されたDFSP細胞株は全て抵抗性であった。この理由として、イマチニブ抵抗性症例からの細胞株の樹立のしやすさや樹立過程での薬剤抵抗性の獲得が考えられる。細胞株の樹立時におけるこのような選択バイアスを排除する方法について、今後考えていきたい。



佐藤 友美

福島県立医科大学

リン酸化プロテオミクスによる腫瘍由来スフェロイドの接着機構解析に基づいた創薬標的探索

佐藤 友美1,2、井上 正宏3、長山 聡4,5

朝長 毅2、足立 淳2

1福島県立医科大学・基礎病理学講座、2医薬基盤健栄研・プロテオーム

3京大・院医・クリニカルバイオ、4がん研・有明病院、5京大・医

 

遠隔転移の源である体内循環がん細胞(CTC)は、近年、細胞塊状態で循環するCTCクラスターの存在が確認され、転移形成能の高さから予後不良因子となることが報告された。

一方、腫瘍由来三次元培養は患者腫瘍の性質を維持しており、培養法の確立によってがんの研究分野でも有用な研究材料として広く活用されるようになってきている。

我々はこれまでに腫瘍由来スフェロイドが培養条件の変化によりCTCクラスターと転移腫瘍組織間で観察される形態変化を再現できることを報告してきた。(Okuyama, Am.J.Pathol., 2016)

本研究では大腸がん由来スフェロイドをモデルに用い、接着確立過程に生じる細胞内シグナル変化をリン酸化プロテオミクスにより解析し、接着確立時のKinase活性変動予測から新規創薬標的を探索した。

ゲル包埋培養1時間でのプロテオミクス解析結果では2倍以上に量が変動したタンパク質は同定タンパク質の0.3%と僅かであるのに対し、リン酸化は同定タンパク質の13.7%で2倍以上の変動が確認され培養条件移行に伴う細胞内シグナル変動を鋭敏に検出できていた。In silico解析の結果、リン酸化が亢進し細胞膜上に局在するRTK_Xは多くのリン酸化亢進タンパク質との関連が予測されたことから、RTK_X阻害剤による大腸がん由来スフェロイドの増殖阻害効果を評価した。RTK_X阻害は大腸がん治療薬Cetuximabの治療標的EGFRやゲル包埋時にリン酸化亢進が認められたErbB2に対する阻害剤と同等かそれ以上の増殖阻害効果を示した。同様の阻害効果はデータベースに登録された大腸がん細胞株に対するデータでも確認された。この増殖阻害効果は浮遊、ゲル包埋の培養条件の違いによる影響が小さかったことから転移先への生着過程に加えCTC/CTCクラスターに対する阻害効果も期待された。

本研究結果からリン酸化プロテオミクスによる細胞内シグナル解析に基づいた創薬標的探索が有効であることが示されたと考えている。



塩田 よもぎ

東京農工大学獣医薬理学研究室

The effect of trametinib on canine primary lung cancer organoids implied its potential as a translational model

Yomogi Shiota*, Tasuya Usui, Kazuaki Sasaki

Tokyo University of Agriculture and Technology, Veterinary Pharmacology

 

Canine primary lung cancer (cPLC) is a rare malignant tumor in dogs with a poor prognosis, and effective therapeutic drugs have not been established yet. Also, cPLC is expected to resemble human lung cancer in histopathological characteristics and gene expression profiles and thus could be an important research model for this disease. In this study, we focused on the three-dimensional organoid culture known to recapitulate the tissue dynamics in vivo, to generate a cPLC organoid (cPLCO) model for analyzing the profiles of cPLC. cPLCO were successfully generated from cPLC tissue, mimicked the tissue architecture of cPLC, and exhibited tumorigenesis in vivo. RNA-seq showed significantly upregulated 11 genes and the gene sets downstream of the MEK-signaling pathway were enriched in cPLCO compared with canine normal lung organoids (cNLO) derived from cPLC-adjacent normal lung tissue. The administration of trametinib, one of the MEK inhibitors, effectively decreased the viability of several strains of cPLCO and inhibited the growth of cPLC xenografts. Trametinib is originally used for human lung cancer treatment combined with dabrafenib (a BRAF inhibitor) in case of upregulation of the BRAF-MEK pathway in lung cancer, suggesting the similarity of canine lung cancer and human lung cancer anew.

Collectively, we could suppose that our established cPLCO model might not only be a useful tool for identifying novel biomarkers for cPLC but also a new research model for dog and human lung cancer. 



杉野 友亮

三重大学大学院 医学系研究科 腎泌尿器外科

膀胱癌におけるゼブラフィッシュ異種移植モデルの樹立と短期ハイスループット薬効評価系としての活用

杉野 友亮1、関戸 翔1、5、景山 拓海1、佐々木 豪1

田中 利男2、島田 康人3、臧 黎清4、村川 泰裕5

井上 貴博1

1三重大学大学院 医学系研究科 腎泌尿器外科

2三重大学大学院 医学系研究科 システムズ薬理学

3三重大学大学院 医学系研究科 統合薬理学

4三重大学大学院 地域イノベーション学研究科

5京都大学 高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点

 

筋層浸潤性膀胱がんの標準治療はシスプラチンベースの術前化学療法(NAC)後の膀胱全摘除術であるが、NACの奏効率は約40%にとどまる。NAC不応例は明らかに予後不良であり、その効果を予測するバイオマーカーの開発が求められているが、臨床応用を実現したマーカーはまだない。

Patient-derived xenograft(PDX)モデルは個別化治療への応用が期待されている。しかしながらマウスモデルでは生着や薬物投与試験に時間がかかるため、そのニーズに応えることが困難である。その中で我々はゼブラフィッシュに注目した。ゼブラフィッシュの最大の利点は生着、薬効判定にかかる時間が短く、1週間以内に結果が得られる点である。1匹当たりのコストも安く、移植に必要な細胞数も少ないため、一度に多くの個体に移植することができ、統計学的解析も行いやすい。

我々は筋層浸潤性膀胱がん患者の前臨床モデルとしての活用を目指し、共焦点蛍光顕微鏡画像に基づくzPDX薬効判定系を樹立した。受精後48時間のゼブラフィッシュ胚に対して蛍光標識したがん細胞をマイクロインジェクションし、個体ごとに蛍光面積の経時的変化を評価することで、治療群とコントロール群を比較した。その結果、治療群において蛍光面積の有意な縮小を定量することに成功した。zPDXでの薬効試験の結果は、in vitro、マウスPDXのそれぞれにおけるシスプラチン感受性株、耐性株に対するシスプラチン試験の結果と一致しており、zPDXの妥当性が示唆された。さらにその分子的背景も明らかにすべく、CAGE seqを行っている。

今後はより多くの症例で実際の患者のNACの効果と比較検討を行ったうえで、短期ハイスループット薬効評価系としてzPDXの臨床応用を実現したいと考えている。



巽 康年

千葉県がんセンター研究所 発がん制御研究部

Curcumin誘導体によるヒストンアセチル化抑制を伴った骨肉腫細胞に対する抗腫瘍効果

巽 康年1, 増田 達也1, 渡部 隆義1, Rohmad Yudi Utomo1,2, Ummi Maryam Zulfin1,2, Edy Meiyanto2, 末永 雄介1, 筆宝 義隆1, 上久保 靖彦1

1.   千葉県がんセンター研究所

2.   Cancer Chemoprevention Research Center (CCRC), Faculty of Pharmacy, Universitas Gadjah Mada

 

骨肉腫は、主に小児から青年期にかけて発症する最も一般的な悪性骨腫瘍である。がんの抑制に寄与する転写調節因子のRB1およびTP53の異常が、その発がんドライバーとなるが、これらを標的とした治療法はない。一方で p300をはじめとするヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)は、コアヒストンのアセチル化を介して遺伝子発現を活性化し、細胞増殖や発がんにも関与する。実際に、骨肉腫患者においてp300の高発現は予後不良となる。そこで本研究では、骨肉腫細胞株を用いてp300を標的とした治療戦略について検討を行った。

骨肉腫細胞株においてsiRNA を用いたp300のノックダウンを行ったところ、細胞増殖の抑制とアポトーシスの誘導を認めた。そこで、薬剤を使用したp300のHAT阻害について検討を行った。ドッキングシミュレーション解析の結果、curcumin誘導体(PGV-1およびCCA-1.1)がp300のHATドメインに結合する可能性を発見した。実際に、これら薬剤はin vitroでp300のHAT活性を阻害すること、骨肉腫細胞株に対してヒストンのアセチル化阻害を伴った細胞の増殖抑制とアポトーシスを誘導することを明らかにした。さらに、受精鶏卵の奨尿膜(CAM)に腫瘍細胞を移植するCAMモデル実験系を用いて、in vivoにおけるcurcumin誘導体の抗腫瘍効果を評価したところ、移植した骨肉腫細胞株の増殖をPGV-1が著しく阻害することを見出した。

以上の結果より、curcumin誘導体によるp300を標的とした治療戦略が骨肉腫において有効である可能性が示された。



田中 涼太

大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵外科学

膵癌PDXを用いた薬剤感受性試験モデルの構築

 

田中涼太1、谷直樹1、尾崎正典2、影山健2、木村健二郎1、江口真平1、阪井雄紀2、櫛山周平1、栗原重明1、木下正彦1、西尾康平1、新川寛二1、大平豪1、山本晃2、石沢武彰1

1大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵外科学

2大阪公立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学

 

背景:膵癌は非常に予後の悪い悪性腫瘍であり、患者由来異種移植(PDX)モデルを使用した新たな治療法の開発や個別化医療の発展が強く望まれている。この研究の目的は、前臨床試験のための膵癌のPDXライブラリを確立し、薬剤感受性試験のモデルを構築することである。

方法:我々は、当院で膵癌に対して根治手術を受けた患者から、膵癌の組織を採取し、免疫不全ラットの皮下および肝臓に移植した。各モデルに対し以下の方法で薬剤投与を行った。①皮下モデル:5-FU、CPT-11、L-OHP、GEM、および CDDP の単剤を経尾静脈的に週に1回、3週間投与した。②肝モデル:CDDPの単剤を、経静脈的および経動脈的に1回投与した。

結果:膵癌患者腫瘍を用い、皮下モデル・肝モデルにおいて、薬剤感受性試験モデルを構築した。①皮下モデル:実臨床において、GnP療法が有効であった症例では、PDXモデルにおいてもGEMが有効であったのに対し、GnP治療が無効であった症例では、PDXモデルにおいてもGEMは無効であった。②肝モデル:左総頸動脈からカテーテルを挿入し、固有肝動脈への経カテーテル的動注療法を確立した。経静脈的CDDP投与と比較して、経動脈的CDDP投与は腫瘍の縮小効果を示した。

結論:免疫不全ラットを使用した膵癌PDX皮下・肝モデルにおいて、抗癌剤感受性試験を行った。皮下モデルでは、抗癌剤の有効性が実臨床と相関していることを確認した。肝モデルでは、新たな治療法の可能性を示した。今後は、多剤併用の治療を行なっていくことで、新たな治療法の開発および治療耐性のメカニズムを検討していくことで、膵癌の個別化医療への発展を考えている。

 



野口 玲

国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野

Off-targetを回避するための研究戦略の構築:On-targeted kinase inhibitorの探索-マルチオミックス解析と患者由来骨巨細胞腫モデルを用いた治療薬同定

 

野口玲1、大﨑珠理亜1、小野拓也1、

安達雄輝1、岩田秀平1、町田香織1、吉田朗彦2、川井章3、栁原五吉1、吉松有紀1、近藤格1

国立がん研究センター希少がん研究分野1

国立がん研究センター中央病院病理診断科2

国立がん研究センター中央病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科3

 

【背景】がんの治療薬開発において、本来の標的ではない、他の分子に対して親和性を示して発揮される効果、すなわち、「オフターゲット効果」は問題である。オフターゲット効果により重篤な副作用を引き起こし、臨床試験は最終的に失敗に終わる。薬剤を効率よく開発するために、オフターゲット効果を回避する研究戦略の開発が求められている。

【目的】本研究は、「オフターゲット効果」を回避するための研究を構築することを試みた。

【方法】本研究では、キナーゼ阻害薬に注目した。理由は以下の3点である。1:キナーゼ阻害薬は治療標的が明らかになっている 2:オフターゲット効果が起きやすい 3:オフターゲット効果が起きたかどうか調べやすい 我々は骨巨細胞腫という中間悪性型で希少な肉腫の患者由来細胞株を用いて、ゲノム情報・キナーゼ活性プロファイル・薬剤感受性試験データを統合したマルチオミクス解析を行った。樹立細胞株の治療標的となるゲノム変化を確認するためにNCCオンコパネル・SNPアレイを施行し、遺伝子変異およびコピー数異常を調べた。三次元ペプチドアレイで100種類のチロシンキナーゼの活性を網羅的に測定した。FDA承認のキナーゼ阻害薬60剤を用いて薬剤感受性試験を行った。これらの結果を統合した。

【結果】我々は骨巨細胞腫8症例の腫瘍組織を用いて、患者由来骨巨細胞腫細胞株8株を樹立した。NCCオンコパネルおよびSNPアレイでは治療標的となりうるゲノム変化は認められなかった。三次元ペプチドアレイでは8細胞株において共通して、KDR, BTK, FRK, FES, LYN, EPHB1, WEE1の7キナーゼの活性が高かった。薬剤感受性試験から、16キナーゼを標的とするチロシンキナーゼ阻害薬9剤が同定された。キナーゼ活性プロファイルと薬剤感受性試験データを統合すると、キナーゼ活性が高く、かつ抗腫瘍効果の高いキナーゼとしてKDRとLYNが同定された。KDRとLYNを標的としたcediranib, foretinib, sunitinib, sunitinib malateの5剤が同定された。薬剤感受性試験で同定した16キナーゼのうち14キナーゼがオフターゲットであること、キナーゼ活性解析で同定した7キナーゼのうち、5キナーゼが抗腫瘍効果を認めなかった。患者由来細胞株を用いたキナーゼ活性とキナーゼ阻害薬の薬剤感受性試験データを統合したマルチオミクス解析により、オフターゲット効果を回避したオンターゲット薬剤の同定に成功した。我々の研究戦略は治療薬開発に有用であるか今後確認を行う。



野口 豊

公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター 分子薬理部

粘液型脂肪肉腫新規治療薬としてのPI3K阻害剤の可能性

 

野口 豊1、礒山 翔1、大崎 珠理亜2、柳原 五吉2、野口 玲2、近藤 格2、旦 慎吾1、

1.公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター 分子薬理部

2.国立がん研究センター 希少がん研究分野

 

当研究室ではこれまでに、ユーイング肉腫(ES)や滑膜肉腫(SS)などの染色体転座を有する肉腫(TRS)がPI3K阻害剤に対して高感受性を示すことを明らかにしている。本研究では、主要な染色体転座陽性肉腫の組織型である粘液型脂肪肉腫(MLPS)と、染色体転座が認められない脱分化型脂肪肉腫(DDLPS)に対するPI3K阻害剤および各種分子標的抗がん剤の効果を検討した。その結果、ESやSSと同様、MLPS由来の細胞株はPI3K阻害剤暴露後に顕著なアポトーシス誘導を認めたが、DDLPSではそのような効果は認められなかった。また、一部のチロシンキナーゼ阻害剤やPI3K/AKT経路の阻害剤が同様の傾向を示すことを見出した。そこで、MLPS患者検体から樹立したゼノグラフト(PDX)モデルマウスを用いてPI3K阻害剤ZSTK474のin vivo薬効評価を行った結果、腫瘍増殖が顕著に抑制された。以上の結果から、MLPSの生存はPI3K/AKT経路に強く依存しており、MLPSに対する新規治療薬としてPI3K阻害剤が有望であると考えられた。



増田 達哉

千葉県がんセンター研究所  発がん制御研究部

フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病及び神経膠芽腫に対するRUNXファミリー包括的制御戦略

 

増田達哉, 巽康年, 渡部隆義, 筆宝義隆, 上久保靖彦

千葉県がんセンター研究所 発がん制御研究部

 

新規のRUNX阻害剤クロラムブシル-M’(Chb-M’)は、RUNXファミリー転写因子の共通コンセンサス配列5’-TGTGGT-3’を標的とするように設計されたPyrrole-Imidazole Polyamide(PIP)をアルキル化剤クロラムブシル(Chb)で修飾した薬剤である。Chb-M’はRUNXファミリー標的遺伝子群の発現を抑制(スイッチオフ)することが可能である。本研究では、患者由来細胞を用いて、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)及び神経膠芽腫に対するChb-M’の抗腫瘍効果について検討した。

チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の開発により、Ph+ALL患者の予後は大幅に改善された。しかしながら、一部の患者は、主にBCR-ABL1のキナーゼドメインにおける点突然変異の獲得により、TKI療法に対する耐性を示す。転写因子RUNX1の発現上昇が、同じくBCR-ABL1タンパクによって発症する慢性骨髄性白血病患者の予後不良と密接に相関していることが報告されている。Ph+ALL細胞においてRUNX1を抑制すると、BCR-ABL1の転写抑制を介して、BCR-ABL1蛋白自体を消失させることで、TKIに対する耐性を克服できる可能性が示唆された。さらに、Ph+ALL再発患者由来のpatient-derived xenograft(PDX)細胞を使用したin vivo実験において、Chb-M’はコントロールと比較して骨髄中の腫瘍増殖を著明に抑制した。

膠芽腫は極めて難治性の脳腫瘍であり、2年生存率が約30%と低く、高い悪性度を示す。膠芽腫において、RUNX1が膠芽腫の増殖や転移、浸潤、血管新生などに関与することが報告されている。また、膠芽腫患者の発現データ解析より、RUNX1およびRUNXファミリーの遺伝子発現量は、予後不良と関連していた。RUNX1ノックダウンおよびChb-M’は、膠芽腫細胞株に対して、RUNX1-BIRC5/PIF1-p21パスウェイを介して抗腫瘍効果を示した。さらに、ヒト由来プライマリー膠芽腫細胞を用いたNOGマウスへの頭蓋内移植実験において、Chb-M’は血液脳関門を通過し、顕著な腫瘍抑制効果を示した。

RUNX1およびRUNXファミリーは Ph+ALLおよび神経膠芽腫の治療標的となる可能性があり、新規のRUNX阻害剤Chb-M’は、TKIに耐性を獲得したPh+ALL患者および難治性神経膠芽腫患者の治療における有望な薬剤となる可能性が示唆された。

 



山本 晴

東京農工大学 農学府 共同獣医学専攻 獣医薬理学研究室

猫乳腺腫瘍オルガノイドを用いたシングルセルRNAシークエンス解析

 

増田達哉, 巽康年, 渡部隆義, 筆宝義隆, 上久保靖彦

千葉県がんセンター研究所 発がん制御研究部

 

猫の乳腺腫瘍は猫の腫瘍の中でも3番目に多く高悪性度である。当研究室ではこれまでに猫の乳腺腫瘍組織由来のオルガノイド培養法を確立し、充実性のBasal タイプ、管腔状のLuminalタイプに分類されることを明らかにしてきた。本研究では各形態のオルガノイドを用いてシングルセル解析を行い、クラスター分類とそのクラスターで認められた遺伝子発現について比較した。クラスタリングの結果、計13のクラスターに分類された。バイオリンプロットに着目すると、Basal マーカーであるKRT5, KRT17、またはLuminalマーカーであるKRT8, KRT19がクラスターごとに異なる発現が認められた。またパスウェイ解析に着目すると、各クラスターで有意に活性化している経路が認められた。以上の結果から、シングルセル解析により、猫乳腺腫瘍オルガノイドの形態と関連するマーカーが発現していることや、活性化経路に差が生じている可能性が示唆された。



Jinchun Yao

shanghai model organisms center(USA)LLC.

Anti-angiogenic mAb, anti-human VEGFR2 (Cyramza) retards tumor growth in KDR (VEGFR2) humanized micegrafted with syngeneic vs. xenograft solid tumors

 

Blood vessels is required for solid tumors to grow for whether primary or metastatic tumors and cutting off the blood supply to tumor is thought of as a potential novel strategy to retard tumor growth, although which may consequently result in pan-hypoxia and metastasis paradoxically.

 VEGFA is identified as the major angiogenic factor and VEGFR2 binds to all VEGFA isoforms as well as VEGFC, VEGFD and VEGFE. VEGFR2 (KDR) is a dominant mediator in regulating the angiogenic and permeability-enhancing effects of VEGFA. Most importantly, in numerous solid tumors, VEGFA and VEGFR2 are overexpressed to further promote intratumoral angiogenesis to supportlocal tumor survival, tumor growth and distant metastasis. 

Given that VEGFA/VEGFR2 interaction plays a crucial role in promoting intratumoral angiogenesis and tumor growth, it is becoming more and more appealing to develop novel potent anti-angiogenesis agents for cancer treatment by direct against VEGFA-VEGFR2 interaction. However, the preclinical assessment of anti-angiogenesis agents are limited due to lack of suitable  preclinical models for human-specific therapeutic antibodies which usually don’t cross-bind to mouse targets.

 

To fill this gap, we developed the KDR (VEGFR2) humanized mouse model (hKDR model), in which the extracellular regions of mouse VEGFR2 corresponding to exons 4-15 are replaced by human counterparts via ES cell-based homologous recombination. As a result, hKDR humanized mouse expresses a chimeric VEGFR2 receptor containing the human extracellular domain plus mouse trans-membrane and intracellular domains. Firstly, we characterized the chimeric h/m KDR expression on the endothelial cells as well as in intratumoral blood vessels derived from hKDR knockin mice.

 

 Subsequently, we investigated the anti-tumor responses of anti-human VEGFR2 antibody (Cyramza, Ramucirumab) in hKDR mice bearing B16-F1 and MC38 syngenic solid tumors and we observed that Cyramza inhibited the tumor growth in vivo remarkably in a dose-dependent way, indicating the binding of anti-human VEGFR2 antibody to the chimeric h/m KDR receptor.

 Notably, we further  generated hKDR knockin model in Rag2 knockout background (hKDR/Rag2KO) by crossbreeding which lack mature T cells and B cells. The female hKDR/Rag2KO mice were subcutaneously inoculated with human hepatocellular carcinoma LI0612 PDX model and human gastric cancer GA2419 PDX model to check the anti-tumor effects of anti-angiogenic agents in xenograft solid tumors. The data suggested that Cyramza displayed moderate tumor growth inhibition (TGI) in LI0612 model at 10 mg/kg (i.p., QW) and weak TGI in GA2419 model at 10 mg/kg (i.p., BIW) , respectively.

 

Our findings support the notion that normalization of tumor vasculature is critical for tumor inhibition based on anti-angiogenic therapy and may synergize the anti-tumor effects with the immune checkpoint inhibitors or advance the immunotherapy of immune modulators in the future trials. 

 

Collectively, our hKDR humanized mouse provides a useful predictive model to evaluate the preclinical in vivo efficacy of the therapeutic antibodies against human VEGFR2. As an immunocompetent mouse model, it may also serve as an ideal model to evaluate combination regimens for human VEGFR2 antibodies and immune checkpoint blockade in vivo.

 



Rinki Singh

Universty of Tsukuba- Life Science Innovation

Development of 3D perfusable tumor tissue to investigate T cell infiltration and drug evaluation

Rinki Singh1,2, Nobuhito Mori2, Ryo Tsumura3, Yoshikatsu Koga3, Yasuyuki S. Kida2,4.

1.   School of Comprehensive Human Science, Life Science Innovation, University of Tsukuba 

2.   Cellular and Molecular Biotechnology Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)

3.   Exploratory Oncology Research and Clinical Trial Center, National Cancer Center

4.   School of Integrative and Global Majors, University of Tsukuba

 

The tumor microenvironment primarily consists of cancer cells, the extracellular matrix, and the tumor blood vessels, which are additionally infiltrated by immune cells and other cells. The survival, proliferation, and drug resistance of cancer cells are influenced by the tumor microenvironment. Recent progress shows that in vitro tumor models like organs on a chip, including organoid models, are actively being developed to gain a deeper understanding of cancer biology and explore novel therapeutic avenues. However, a model system that comprehensively emulates the human tumor microenvironment, with its blood-flowing tumor vessels, high-density cancer cells, and a rigid extracellular matrix, remains elusive. This is a major challenge in cancer research, particularly when testing promising T-cell-based therapies and anticancer drugs. To overcome this challenge, we constructed a three-dimensional tumor tissue consisting of cancer cells, vascular endothelial cells, and collagen gel, utilizing a 3D printed perfusion device and a perfusion system. The perfusion device enabled us to achieve the breakthrough of making a main blood vessel within the tumor microenvironment. The cellular and collagen densification process was achieved through cell self-assembly-induced contraction, facilitating the creation of capillaries. The formation of these capillaries was further supported by perfusing a culture medium through the central main vessels of the tissue, utilizing the needle removal technique. Furthermore, since immunotherapy is emerging as a promising approach against tumors, we explored the feasibility of using our system as a platform to study and test T-cell therapy. CD8-positive T cells were perfused through the main blood vessel to evaluate their infiltration in the tumor microenvironment. As a result, it was confirmed that T cells infiltrated the tissue by histological method. To further improve the perfusion and infiltration rate of CD8-positive T cells into the tissue, an orbital shaker was used, which successfully increased the number of tumor-infiltrating T cells. The results of this study imply that this innovative device can be used to make tumor tissue with perfusable blood vessels and is expected to evaluate the efficacy and development of anticancer drugs and precision medicines. Future research aims to expand its utility for evaluating antibody drugs and T-cell-based therapies, potentially advancing cancer treatment strategies significantly.



Song Xiaoyu

Universty of Tsukuba

Development of Pancreatic 3D Tumor Model for High-Throughput Drug Screening

 

Xiaoyu Song

 

1.   Tsukuba Life Science Innovation Program (T-LSI), School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba, Japan. 

2.   Cellular and Molecular Biotechnology Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), Japan

 

Pancreatic ductal adenocarcinoma (PDAC) is a persistent malignancy that is difficult to diagnose in its early stage and is one of the leading cancer-related deaths worldwide. Currently, limited therapeutic options are available for PDAC, resulting in an extremely low 5-year survival rate. To speed up the discovery of novel therapeutics, a reliable 3D model that highly simulates the PDAC tumor microenvironment is needed for large-scale drug screening. In this study, we propose a novel 3D model for restoring the PDAC tumor microenvironment by targeting cancer-associated fibroblasts (CAFs), which serve as the key component of the PDAC, providing its heterogeneity and contributing to reciprocal signaling and drug resistance. Our previous studies have demonstrated that Adipose-derived mesenchymal stem cells can differentiate into varying subtypes CAFs when co-cultured with PDAC cells both in vitro and in vivo. Following this strategy, we utilize the fibroblast-populated collagen lattice (FPCL) modeling approach, which relies on the contractility of fibroblasts in a collagen gel matrix, to provide the mechanical stress and hypoxic conditions for the 3D tumor models. Human Adipose-derived mesenchymal stem cells as CAF precursors and PDAC cell lines were mixed with collagen solution to makethe collagen discs, resulting in the formation of 3D PDAC tumor models within a week. The morphological analyses, along with global transcriptome and metabolomic analyses, were performed to confirm the clinical-like mature ductal glands of PDAC cells and CAFs-like spindle-shaped of mesenchymal stem cells in the interior of PDAC-FPCL (PDAC-F). Moreover, the PDAC-F has shown a high tumorigenic potential in vivo animal model. Additionally, PDAC-F was shown to allow combination therapies screening of anticancer and antifibrotic drugs in the drug screening test, demonstrating that the combination therapeutics have better efficacy. 

In conclusion, our PDAC-F is built with distinct features of PDAC, reproducing the heterogeneous and high stiffness with a clinical-like PDAC morphology. In addition, the short modeling time and the high reproducibility of this PDAC-F open the possibilities for large-scale drug screening, which is expected to accelerate new drug development and provide effective treatment for pancreatic cancer patients.