患者由来がんモデル研究会

2018年6月27日~28日

ご挨拶

患者由来がんモデルは基礎研究のみならず前臨床試験のツールとして重要な役割を果たしてきました。患者由来がんモデルなかりせばありえなかった学術的な発見は数多くあります。また、新しい抗がん剤の開発がハイペースで進んでおり、それらの前臨床試験のために今まで以上に患者由来がんモデルは必要とされています。

 

患者由来がんモデルは昔から使われてきたツールですが、わからないことが数多く残されています。たとえば、モデルの樹立成功率を決定する生物学的な因子はよくわかっていません。同じような症例からの似たような腫瘍組織であっても、実験動物には生着したりしなかったりします。細胞株も同様で、腫瘍組織から細胞をin vitroに移す段階では、後に株化されるかどうかはまったく予測できません。また、樹立されたモデルは生体の何をどれくらい反映しているのかも不明です。多層的なオミクス解析を実施してみると、モデルを樹立する過程で分子背景は大きく変化していることがわかりますが、結果的に生体のどの形質が保存されているのか一般的にはわかっていません。このような謎を解き明かすことで、私たちは患者由来がんモデルをよりよく使うことができるようになるのでしょう。

 

本研究会では、患者由来がんモデルを組織的に構築していたり、基礎研究や前臨床試験に使っていたり、あるいはモデル構築のための基礎研究を行っている研究者の方々に御講演をお願いしました。本邦の第一線で活躍される方々です。患者由来がんモデルのさらなる有効活用と関連する研究分野の発展に向けて、活発な議論を期待しています。

 

本研究会が、患者由来がんモデルに興味のある方々の交流の場となることを願っています。

 

皆様の御参加をお待ちしています。

 

末筆ながら、皆様の臨床・研究・ビジネスの益々の御発展をお祈り申し上げます。

 

オーガナイザー 近藤 格

国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野

プログラム

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講演抄録
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プログラム表
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6月27日(水)
 時間  内容
13:00

開会のあいさつ

近藤 格(国立がん研究センター)

13:05

特別講演 1

Robert M. Hoffman (AntiCancer社)

14:05 展示/ポスター
14:25

招待講演 1

高木 基樹(福島県立医科大学)

15:25

テクニカルセミナー

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

15:45 展示/ポスター
16:05

シンポジウム 1

佐々木 博己(国立がん研究センター)

16:30

シンポジウム 1

宮城 洋平(神奈川県立がんセンター)

16:55

シンポジウム 1

筆宝 義隆(千葉県がんセンター)

17:20

シンポジウム 1

関根 圭輔(横浜市立大学)

17:45 移動時間
18:00 情報交換会
 
6月28日(木)
9:00

招待講演 2

岡田 誠治(熊本大学)

10:00

特別講演 2

Thomas Metz(Charles River社)

11:00 休憩(時間調整)
11:20

基調講演

濱田 哲暢(国立がん研究センター)

12:00 昼食 展示/ポスター
13:30

招待講演 3

井上 正宏(京都大学)

14:30 展示/ポスター
15:00

招待講演 4

玉野井 冬彦(京都大学 / カリフォルニア大学)

16:00 展示/ポスター
16:30

シンポジウム 2

後藤 典子(金沢大学)

16:55

シンポジウム 2

岡本 康司(国立がん研究センター)

17:20

シンポジウム 2

近藤 格(国立がん研究センター) 

17:45

閉会の辞

間野 博行(国立がん研究センター研究所 所長)

17:55

閉会のあいさつ

近藤 格(国立がん研究センター)

演者一覧

招待講演

井上正宏

(京都大学)

CTOSパネルを用いた薬剤感受性試験

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岡田誠治

(熊本大学)

患者腫瘍移植モデル(Patient-derived tumor xenograft)の薬剤開発への活用

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高木基樹

(福島県医科大学)

患者由来がん培養細胞を用いた抗がん剤の評価

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玉野井 冬彦

(京都大学 / カリフォルニア大学)

 癌の鶏卵モデル:患者由来がんモデルとナノ治療開発系としての可能性

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特別講演

Robert M. Hoffman

(AntiCancer社)

The advantages of the patient-derived orthotopic xenograft mouse models if cancer

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Thomas Metz

(Charles River社)

 

Using patient-derived tumor xenografts for drug discovery and to facilitate individualized cancer therapy

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基調講演

濱田 哲暢

(国立がん研究センター)

 

臨床効果を予測するための薬物動態解析

-動物からヒトへの外挿のために-

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シンポジウム

岡本 康司

(国立がん研究センター)

 

がん臨床検体のスフェロイド培養系を用いたがん幹細胞増殖機構の解析及び抗がん剤奏功性検証への応用

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後藤 典子

(金沢大学)

 

乳がんの三次元培養とPDXを用いたがん幹細胞制御機構解明のアプローチ

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近藤 格

(国立がん研究センター)

 

希少がんの患者由来がんモデルの現状と課題

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佐々木 博己

(国立がん研究センター)

 

多層オミックス情報のある腹膜再発がん患者腹水から樹立された124種のPDC(Patient-derived cell line)とその高い有用性

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関根 圭輔

(横浜市立大学)

 

患者由来癌細胞を用いた三次元的膵癌組織の人為的創出

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 筆宝 義隆

(千葉県がんセンター)

Organoid culture of bile from advanced cancer patients and its clinical application

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 宮城 洋平

(神奈川県立がんセンター)

免役不全マウスによる患者由来異種移植辺(PDX)の作製と研究利用

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出展企業一覧

上元株式会社 Abnova Diagnostics (Japan)

AntiCancer Japan株式会社

株式会社

LSIメディエンス

sainome株式会社

株式会社SCREENホールディングス

エーエムアール株式会社


株式会社エービー・サイエックス

株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ

キコーテック株式会社

ザルスタット株式会社

住商ファーマインターナショナル株式会社

株式会社ナード研究所


日本チャールス・リバー株式会社

日本バイリーン株式会社

株式会社ビジコムジャパン

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

富士フイルム和光純薬株式会社

ミルテニーバイオテク株式会社


ヤマハ発動機株式会社

横河電機株式会社

株式会社アプロサイエンス